「ああ……うーん……」


「うぅ……」


「はいいっ!?」



さっきの出来事をどう処理しようかと唸りながら食器やら瓶の片づけをしていたところ、突如呻き声が追加されたのでびっくりした。


流し台から振り返るとそこにはふらっふらな兄の姿。



「……思李……気持ち悪い」



そりゃそうでしょうよ! あんだけ飲めば当たり前です。


もう見事に真っ青な顔して目が虚ろじゃないですか。



「ちょっと待ってて、飲み物持ってく。水がいい? お茶にする?」


「……水」


「じゃあ座るか横になるかしてて……あ、吐くなら縁側出て」



びしっと言ってやると兄は呻き声のような返事をしてから茶の間へと戻った。


扉に肩を思いっきりぶつけながら。



洗い物をちょうど終えたところだったので、そこにあったグラスにミネラルウォーターを注ぎ、すぐに兄の後を追う。


いつでも吐けるようにか、兄は縁側に座っていた。


たいして涼しくもない、寧ろとてつもなく温い風がもわっと通り過ぎてゆく。