戦国サイダー

畳んだ座布団を枕にして、空の焼酎瓶を抱えるという見事な泥酔スタイル。


でもそれよりも何よりも、私の目に留まったのは、大量の空きビン。



缶ビール、瓶ビール、焼酎、日本酒、ワインにウィスキー!?


そりゃ確かに酒好きの父のおかげであらゆる種類のものが大量にありますけど、我が家は。



小一時間で、こんなに飲めるものですか!?


てか瓶は一本ずつとはいえ、兄でも潰れるわ! 急性アルコール中毒にならない方が不思議。


いやそれよりも何よりも、突っ込みはしなかったけど、貴方は一応現在の年齢で言えば十九歳ですよね!?


現行法でいけば未成年じゃないですか! それが、この酒豪っぷりってどうよ!?



「なんだ」



恐る恐るその一つも乱れてない綺麗なお顔を窺うと「さっさと座れ」と言いたげな表情で虎は座った。


本当に大丈夫なんだろうか、びくびくしながら真向かいに私も座る。



……そこで見つけた、脅威の権現。



「ちょっ……スピリタス!? しかも半分も飲んでる!?」


「煩い」


「一蹴しないで! というかこれまさかこのまま飲んだの!?」


「いや、それはダイが薄めるか何かを混ぜていたような」