戦国サイダー

なんで兄がやらないんだ……



「ダイなら、すっかり酒が回っておる」


「……そうでしたか」



ちょっと、長湯だったとはいえ一時間も経ってないのにもう酔ってんの?


缶ビール五本しか冷やしてないのに。



「焼酎、とかいうものがなかなかに美味だった。だがダイは弱すぎだろう」



……てかそれは貴方がハイペースで飲んだからじゃないでしょうね。


うちの兄が弱い、ってことは決してないと思いますけど!?


焼酎開けたのは別にいいけど、私のじゃないし。



残り半分をちゃっちゃと切って、適当な器に盛ってしまう。


意外と、虎が切った分も綺麗に揃ってるんだから恐ろしい。



「……速いな」


「……は?」



兄と違って泥酔はしていない様子の虎は、腕を組んで顎に手を当てたポーズで、繁々ときゅうりのぬか漬けを眺めていた。