戦国サイダー

「「思李」」



引き気味なのが顔に出てたのか、二人から同時に咎められる。


またそれがぴったり同時なんだから……わかりましたよ、ごめんなさい。



無言で制されたのでもうこれ以上そういう方面は考えないようにしよう、うん。



そう思って残りの冷やし中華を食べ切ると、いつの間にか食べ終えていた二人の皿もひったくって、私は台所に引っ込んだ。


流し台の中に皿を入れる頃には、何やら男性陣の話し声が聞こえてきたものの、蛇口をひねればその音で詳しい内容は聞き取れない。



そういえば、あの二人ってお酒飲んだりしないな。


兄は飲める筈だし、虎も飲めないことはないんだろうけれど。



「思李、ちょっとビール出して」


「はい!?」



突如後ろから聞こえた声に、心底驚いた。


もしかして心の中でじゃなくて口に出してた!?