戦国サイダー

私がわかりやすく溜め息をつくと、今度は声を出して笑った。



「いや、なんか新婚さんの家にお邪魔してるみたいだなぁ、って」


「……はい!?」


「だって思李が料理してる間の虎ってさ……」


「ダイ、口が達者なのは身を滅ぼすぞ」



ワンテンポ遅れて反応した私に対し、兄はにっこり微笑みながら続けたが、冷やし中華に夢中かと思われた虎の声が、それを遮った。


『新婚』の意味はわからなかったのか、スルーしたように思えたんだけど。


てか微妙に兄が何を言おうとしたのかは気になるんだけど。



虎も兄のことはさすがに睨まない、そこが私との違い、どうやら二人は言葉を交わさなくても通じる何かがあるらしい。


男同士だからこそなのか、仲がいいからなのか。



じいっと見つめ合った……見つめ合うって気持ち悪いな、視線で会話し合った二人が、しばらくして同時に溜め息を零した。



……なんか、ほんと通じ合ってる、というか。


正直、美形と言っても過言ではない二人の組み合わせだし、兄は兄だし、ちょっと……