好きだから。



わかっては、いた。


まだ未練あるって言ってたし。


 
でもやっぱりはっきり言われると、どうしても脈が早くなってしまう。


ああ、ヤダな、私。


もう好きじゃないのに、言われてドキドキするだなんて。



「で、答えたんだしどかしてくれる?」



その言葉に、鬼虎は答えない。


けれども、日本刀はすうっと弧を描いて離れ。



私の目の前にあった、西瓜にその刃を当て。



まるで絵本によくある桃太郎が生まれた桃のごとく。



パカッと、真っ二つにしてしまった。


 
……え、西瓜に八つ当たり?


いや、そうじゃなくて当てつけみたいなものかな。