『いきなりでワリィんだけど……』


「うん……」



一体、何――?





『……西瓜、いらねぇ?』


「はっ?」



思わず間抜けな声が出た。



すっ、西瓜?



『母親の実家から大量に送られて来てんだよ。で、今日ずっと配ってんだけど』



電話の向こうではさっきまでの遠慮はどこへやら、どうにかしたい気持ちが強いのか、由惟さんは溜め息混じりで言ってくる。



『未だ無くなんねぇの。でも置いといても食えねぇし。で、電話してみた』


「え、いや、そりゃ貰えるのなら嬉しいけど……」



しかしよく別れて日が経つ元彼女のところにそれで電話かけれるなぁ。


まあそういう後腐れなさそうな性格が良かったわけで付き合ってたんだけど。