「というかもうちょっと感情を出してもいいんじゃないかなぁ……と思ったっ……すっ、すみません」



欲を出せば痛い目に合う、ええ、わかってますとも。


余計なことは言うな、と言わんばかりの迫力あるお美しい目で見据えられてしまう。



そういや兄も似たようなこと鬼虎に言ってた気がする……確か教育がどうこう答えてたような。


そういう問題じゃないと思うんですけど、私も。


他人との円滑なコミュニケーションと申しますか。



ところがまあ、それ以上は言えず、鬼虎が箸を持って食事を再開したので話は流されてしまった。


さっき食事中は会話をしないと言ってたし、もう余計なことは喋らないつもりなんだろう。



基本的に食事はひとりだとも言っていた。


ひとりの食事が寂しいと私は思うけれど、鬼虎にとっては当たり前なのだろうか。