戦国サイダー

「……美味しくない?」



もういいや、と聞いてみると鬼虎の眉が珍しく上に動いた。



「不味ければ食わん、と言っただろう」



……あ、そう。


もう聞いた私がバカでした!



溜め息をつきたくなるのをぐっと堪えて、ご飯を口に運ぶ。


悔しいような、どこか諦めたような、そんな気持ちでもやもやしていると、鬼虎が顎に手を当て、再び眉根を近づけた。



「……もしやそういうことは口にした方が良いのか?」


「はい!?」



いきなりの疑問に、持っていた汁椀を落としそうになる。


勿論落としてませんけど、ちょっとだけ零しそうになりましたけど。



「いや、何でもない」



いやいやいや! 何でもなくないですから!


その疑問はすっごい気になりますって。