「……敢えて言うなら」


「敢えて言うなら?」



だけど、疑うのをやめた、意地張るのをやめた途端。



「……食べた事のない物だな」



全てが軽くなってくるのは、事実。




あ、いや、あれは違うけど! こいつとなんて、無理無理!



ただもう少しだけ、仲良くしてもいいかな、って。


だってなんやかんやで同じ家にいるわけだし、戦国武将と会えるだなんて物凄い稀少なことだし。



父親の楽観的な性格は、私は受け継がなかったけど。



「わかった。じゃあ食べたことなさそうなものを作る」



少しぐらい見習ってみてもいいかもしれない。