「今日の晩ご飯、何が食べたい?」



もう疑うことは今日で終わりにしよう。


安易かもしれないけど、こんな得体のしれない男を。



でも、もう。



「何でも良い」



疑うのも、疲れた。



「何そのありきたりな台詞。せっかく人が聞いてるのに」


「出された物は何でも食う」



ああ、ダメだな、私。



ついさっき、嫌いになりたい、って思ってたくせに。



「いや、それはありがたいんだけど……食べてみたいものとかさ、ない?」



単純、鞍替え早過ぎ。



びーびー玄関で泣いてたのは誰よ。