「大人しく儂の言うことを聞いておけ」



額をぶつけながらそんなこと言うって、もう完璧私は奴隷とかメイドじゃないですか。


私「ご主人さま萌え~」な人じゃないですよ?



「わかったか」



わかったか、ってだからわかる以外の選択肢はないでしょ。



「わかったのか」


「わっ、わかりました!」



反論なんかできやしない。


色っぽいと思った瞳はただの野獣、猫じゃない虎だ。


今だってその黒いふさふさの睫毛に縁取られた瞳がじっと私を睨みつけて……