「思ったことが顔に出るところは成長しねぇな、思李」



うわ、それあんまり今聞きたくない台詞なんだけど……やっぱりそうなのね……



「じゃ、オレは行く」



人懐っこい笑顔を納めた由惟さんは、言うだけ言って、こっちが何か言う間を与えることなく立ち上がってしまう。



一体なんなんだ。



「あー……ケータイの番号とかアドレスとか何も変わってねぇし。何かあったら相談、のる」



タイトなジーンズのポケットに両手を突っ込んでそっぽ向いて言う。



懐かしい、照れてるときっていっつもこうだった。



「えっと……」


「皆まで言うんじゃねぇ。せめてかっこつけさせろよ」



こういうところも変わってない。



「夏休みの間はこっちいっから。んじゃな」



別れ際に頭を軽く縦に振るのも一緒。