「えーとじゃあ……一時間後に中央エレベーター前で」



鬼虎に兄がついているのなら何も不安はない。


私はその間本や雑貨でも見てようと、二人と一緒に車を降りた。



肌を焦がす真夏の太陽が、鬼虎の紺色シャツを眩しく照らす。



「じゃあ、後でね」



それだけ言って、私はショッピングモールへと先に進んだ。



振り返ることなく、二人の言葉を聞くことなく。