「悦子さんに訊いてみたら? て言うかさ、あんまりじゃない? 悦子さんのこと好きなくせにさ、あたしに言い寄ってきたりして。バカにしてんの?」 きっと…… あたしの頬をつたう涙は、悔し涙。 “梓ちゃん”って、嬉しそうにお弁当を持ってきたのも。 あたししかいないって態度を取ったのも。 それは、武人の本心なんかじゃ、ない――…… 「なんで悦子が出てくるんだよ」 「質問に答えてよ。悦子さんのこと、まだ好きなんでしょう?」 「…………」 ……なんで、そこで黙るのよ。