「……お姉さん」 「………??」 そのとき。 先にバスに乗った制服姿の男の子が、オバサンに向かってにこりと微笑む。 ちょ……っ……。 このヒト……!! すっごいカッコイイじゃんっ。 スラリとした長身。 端整な顔立ち、切れ長の一重の瞳に、目元の小さな泣きボクロが女心をくすぐる。 色素の薄い髪は少し長めのくせっ毛で、それを無造作にセットしている。 突然現れたイケメン。 釘付けになったのはあたしだけじゃなく、非常識なオバサンも同じだった。