「……質問その二」 「あ、ちょっと待て」 「……“待て”?」 「……や、待ってください。梓ちゃん、野菜も食べないと……」 生意気にも、食べる順序に口出しする武人を、あたしはじろりと睨む。 武人は、しゅううっと小さくなっちゃって、「質問どうぞ~」と小さな声で言った。 「悦子って、ナニ?」 「え……っ」 「だから、悦子よ。信一くんとやらが言っていたでしょ? 悦子さんが寂しがっていますよ~って」 “悦子”の名前が出てきたとたん、武人は急に黙り込んでしまった。