――ドンッ……! 「いたっ……」 もうすぐ裏庭……。 校舎の角を曲がったところで、あたしは突然、何かにぶつかった。 「た、武人っ?」 「あぁ、梓ちゃんっ」 ぶつかった相手は、武人。 三年の先輩たちにしめられようとしていたはずなのに、無傷のまま、武人はにこにこ笑っていた。 「あんた、さっき……、先輩たちに……」 「え? あぁ……」