“ごめんっ。俺はただ、話を聞いてほしかっただけで……っ” “……チッ” あたし、また舌打ち。 そこでヘタレになるなよーっ!! “梓ちゃん、いま『チッ!』って言った? ……言ったよなっ? あぁ、やっぱり怒ってるし!” “あ~もうっ。怒ってないから。なに? 話って” うんざりして問うと、武人は少しホッとしたような顔をする。 そして…… それは、あたしが想像していたとおりの、話。 “俺さ、昨日バス停の一件で梓ちゃんに一目惚れしたっていうか……。もし、良かったら……”