「じゃあねー」 ひらひらと手を振りながら教室を出て行くあたし。 武人は毎日のように、あたしにお弁当を作ってきてくれるけど。 あたしは一度も、それを食べたことがない。 今日みたいに、大嫌いな食べ物が入っているときは、本気で拒絶するけど。 好物ばかりのお弁当の時でさえも、あたしは生唾をごくりと呑み込みながら断っている。 受け取ったら、最後。 あのヘタレ男。 調子にのって、どんどんエスカレートしていくに違いない。 「……武人くんってさぁ、顔はいいんだけどねぇー……」