その表情は、あたしをいつもドキッとさせる、クールなほうの武人。
時折見せるその表情は、強がりなあたしをあっという間に黙らせてしまうんだ。
そして、我に返ったあたしは、いつもの口調で言い返す。
「まぁっ! 情けないこと!」
「うるせぇよ。あ、て言うか、いま、俺のこと“好き”って言ってくれたっ?」
「…………」
だけど、すぐに武人はヘタレへと戻ってしまう。
飼い主にじゃれつく仔犬のように、あたしにつきまとう武人。
あぁっ、もうっ。
うんざりするけれど、なぜか顔が綻ぶ。
ヘタレな武人も、クールな武人も。
全部ひっくるめて、あたしは武人が大好きなんだ――
――fin――


