「もう一回、言ってくれる?」 耳元で、武人がそう囁く。 低めの甘い声に、あたしの心拍数は一気に上昇してしまう。 「な……っ、何を……ですか?」 背中に感じる武人のぬくもりとか。 頬に触れる武人の柔らかい髪とか。 あたしのすべてに触れる武人に、動揺してしまって。 いつだって強気だったあたしは、武人以上のヘタレへと成り下がってしまう。 「俺への気持ち」 ――あぁ……。 あんたがこんなにカッコイイことをやってくれるから、あたし、逆らえないじゃない……。