悔しくて、涙が出そうになる。 それを堪えるようにして、あたしはまた、おにぎりに食らいつく。 ――………っ!! 具なしのおにぎりかと思ったら……。 口のなかに、あの、嫌な甘さが広がった。 おにぎりのなかから見える、ピンク色の“アレ”。 あたしの大嫌いなさくらでんぶ……! 「ちょっとっっ!」 「え?」 「何コレ! あたしに対する嫌がらせってわけ?」 おにぎりをグイと突き出し、その中身を武人に見せる。 「……嫌がらせじゃないよ」