武人の手を振り払った瞬間……。 あたしの右手は、その勢いのまま、武人の右頬に強烈なパンチを放ってしまったんだ。 「……ってー……!」 「あ………」 ヤバイ、と、思ったときにはもう遅かった。 あたしのパンチはそんなに強力だったのか? 武人は右頬を押さえ、その場に倒れていた。 「……あっ……、ご、ごめ……っ」 「何も殴るこたねぇだろっ!?」 どうしよう…… ものすごーく怒ってる! いや、怒るのも当然か……。