転入生なんだ……。 立ち止まった彼にあたしが追いつき、一緒に歩き出す。 「案内するね。さっきのお礼も兼ねて」 あたしが苦笑しながら言うと、彼は「そんな、礼なんて」と、照れたように笑った。 職員室に案内するまでのあいだ。 あたしはチャンスだと、彼の基本的なことを聞いた。 名前は、金森 武人(カナモリ タケト)。 学年はあたしと同じ二年生で、クラスは……なんと、あたしの隣のクラスだった。 同じクラスじゃないのか、と、がっかりしたけれど……。