武人が手に持っていた、淡いピンク色の封筒がちらりと見えて、あたしは思い出したように問い詰めた。 「……悦子から」 「……え……っ……」 何となく予想はついていたけれど。 改めて言われて、あたしは急にさっきまでの勢いをなくす。 そして、思い知らされる。 やっぱり、あたしは武人を好きなんだ。 悦子さんの名前が出てきたとたんに、心臓をわしづかみにされたような気持ちになる。 「気になる?」 あたしの心境なんか知りもしない武人は、そんな意地悪なことを平気で言ってのける。