「うーん、やっぱり結婚はワンパターンかなぁ。新しいバージョンを考えなきゃ」

「あははー♪ じゃあ、娘の結婚式ってパターンは?」

「なにぃ!? 娘までいるとなっ! 青司。そなたは一体いくつなのだ」

「や、さすがにそれはない……」

 話が変な方向に転がりだしたせいか、青司が唐突に話題を変える。

「ところで、引率の教員がいないようですが、いつもこうなのです?」

「いいや。去年までは、ちゃんと引率の教員もいたぞ。今年はなぜか、急遽視察旅行に行けなくなったとオレに連絡があった。」

 ちょっとおかしいなと思ったが、いないほうが羽を伸ばせるので、特に言及もしなかったのだが。そんな疑問に答えたのは、意外な事に千沙子だった。