気が付けば、そんな絵理の存在が、オレにとって無くてはならないものになっていた。

 だから、離れたくない。無くしたくない。手放したくない。

 だけど、絵理自身はどうなのだろう?

 絵理の心は、あまりにも理路整然と整理されすぎているように思えた。

 一見突飛に見える行動も、彼女なりの理由の元に行われている。

 後で聞けば、納得のいく回答が返って来るのだが、そこに至るまでの過程が常人と比べてあまりにも鋭利なため、突飛に見えるのだ。

 そんな絵理が、時々ひどく危うげに見えるのに、どんなに心を研ぎ澄ませても、絵理の心のありかを、オレは未だに捕らえきれずにいた。