「副会長と付き合ってた位だから、そういう倒錯した趣味があると思ってたのに」

「人を勝手に変態認定するな。まったく、落ち着いたと思ったらそれか」

 オレが呆れると、青司は椅子から立ち上がり、窓の方へと向かった。

 オレも何となくそれに続く。

 病院の窓から見える街は、色とりどりの光で溢れている。

 透き通った雲ひとつない空には、星々のきらめきが躍っていた。

 暗闇の中でも光を失わなかった紅葉は、星に似ているな、と窓の外を眺めながら思った。

「……忘れないでやって下さい。紅葉の事を」

「当り前だ」

 互いに窓の外に目を向け、オレと青司は地上と空に躍る星を見ていた。