「お前がそう言うなら、遠慮なくそうさせてもらうわ。

 だけどな、青司。

 名目だけとはいえ、お前、叢雲の跡取りだろ。形だけだろうが何だろうが、いずれトップになるのはお前だ。

 絶望して泣いて、オレを恨んだり妬んだりる暇があるなら、奴らを出し抜く算段でも考えて、力つけたほうがいいんじゃねえの」

 オレは青司に向かって容赦ない言葉を叩き付けた。

 慰めの言葉は言わなかった。

 今それを言われるのは、屈辱以外の何物でもないだろうから。

「……あなたのそういうところが、嫌いです」

 どろどろになった瞳は変わらなかったが、狂を含んだ笑みは表情から消えていた。

「同情なんかしようものなら、思い切り殴ってやったのに。侮辱するなって。馬鹿にするなって。
 ……そうさせては、くれないんですね」

「好き好んで殴られる趣味はねーよ。生憎とな」

 オレの言葉に青司は、はは、と力なく笑った。