友人同士での個人的なプレゼント交換も行われているようで、会場を見回すと、あちこちでその光景が見えた。

「そうだ、青司よ。今日はそなたのためにプレゼントを用意してきたぞ。喜んでもらえると嬉しい」

 そう言いながら、絵理が青司に四角い包みを渡している。

「ありがとう。家に帰ってからゆっくり見るよ」

「うむ。以前話題に出ていたサンスクリット語の辞書だ。家で思う存分見るがよい。
 これさえあればヨーガの経典やマントラも怖くはないぞ」

「……よく見つけたね……。こんなレアな物」

 嬉しそうだった青司の表情が、一転して困惑顔になった。

 絵理のセンスはやっぱりどこかおかしい。

 紅葉へのプレゼント、一緒に選びに行って正解だったようだ。

 絵理と青司もオレに気が付いたようで、二人でこちらにやってきた。