「互いの指名数? そんなもの、カウントしているわけがなかろう」

 そうあっさり言われ、結局、どちらが勝ったのか、負けたのか。そんな事はもう解らなくなっていた。

 オレと青司は互いに顔を見合わせたが、お互いにもう溜息しか出てこなかった。

 でもなぜか、妙な達成感と清清しさがあった。

 教室の窓から見える空が茜に染まっている。

 夕日が差し込む教室で、オレと青司の視線が再び合った。

 マコに手渡された紅茶のグラスを、どちらからともなく、互いに音を立てて合わせ、そのまま一気に喉に流し込んだ。

 そんな休息も束の間。
 1‐Aの教室の扉がガラリと開いた。