純愛バトラー

「うーまーいーぞー!!」

 目からビームを出すんじゃないかというくらいの勢いで男の一人が叫んだ。

「これは……! まず紅茶の芳醇な香りが鼻腔に広がり、シナモンが紅茶の甘みを見事に引き立てている。まるで鼻の中で天使が踊っているようだ!」

「ぬう、使われている茶葉そのものは大した事はないが、温度、蒸らし時間、シナモンによる香り付け、全てにおいて完璧! 伝説の至高の紅茶の淹れ手に、こんな所で出会えるとはっ……!」

 こいつら、ただのチャラ男三人組だと思っていたら、美食倶楽部の刺客かっ!?

 思わず後退りしそうになったが、客は仮にも『ご主人様』である。メイドの意地にかけて、そんな失態を晒すわけにいかない。