純愛バトラー

「お帰りなさいませ、ご主人様」

 まず客を出迎えて席に案内するのは、執事服を着た女子の役目だった。

 注文を受け、客に給仕をする段階で、女装メイドが登場する。

 本格的なキッチンスペースはないので、出せるものといえば、飲み物の他はクッキーやパウンドケーキなど、作り置きのできる菓子ばかり。

 飲み物を注文された時は、客の目の前でメイドが淹れる事になっていた。

 とはいえ、客の前で熱湯をごぽごぽ沸かす訳にはいかないので、ティーポットに用意した茶をカップに注ぐだけなのだが。

「オーダー入りまーす! 3番テーブルのご主人様にシナモンティーを!」

 セイラは今接客中なので、必然的にオレが行く事になった。