純愛バトラー

 院内に入り、病室に向かう途中で紅葉を見つけた。

 明るい亜麻色の髪は、遠くから見てもよく目立つ。

 紅葉はオレの姿に気付くと、嬉しそうに近寄ってきた。

「陣! 昼間に来るなんて珍しいね。でも嬉しいな。今日はいつまでいられるの?」

 そう問われて返答に詰まった。

 今の自由時間の終了時刻は、それこそ絵理次第なので、答えようにも答えられなかった。

 絵理の方を見やると、一つ頷いてこう答えた。

「夕食(ゆうげ)までに戻れば問題なかろう」

 オレに代わって答えた絵理を、紅葉はしげしげと見やると、オレに向かって再び質問をした。