かといって、人の気持ちなんて、力ずくじゃどうにもならない。

 かつてやろうとした強引な方法も、今はできなくなっていた。
 またティッシュボックスを持たされて、部屋の外に追い出されるのがオチだろう。

 そんな強引な手段に出て、
『案ずるな。今回はきちんと特殊な器具も用意しておいた』
 などと言われて、ティッシュと一緒に持たされたとしたら、多分オレは立ち直れなくなる。

 第一、うやむやになってしまったが、オレは絵理に色情症の変態と誤解されたままなのだ。

 ああ。

 できることならば、あんな馬鹿げた行動に出た昔のオレの首をきゅっと絞めて、そのままネックハンギングの刑にしてやりたい。