突然のリムジンの登場に呆気に取られていると、助手席から屈強な体躯の外国人男性が降り立った。
 浅黒く厳つい顔にサングラスをかけ、高級そうなスーツに身を包んだ姿は、要人のボディーガードを連想させた。

 物々しい雰囲気に、周りの通行人がざわめきながらオレ達とリムジンを遠巻きに見ている。

 好奇の視線が突き刺さり、非常に居心地が悪い。


 いやその。オレ達は無関係なんですが。


 そう主張するにはリムジンとの距離が近すぎる。皆を促してさっさとここから退散しよう。
 そう思ったのも束の間、男性はオレ達に近づき、恭しく一礼した。