純愛バトラー

「あら、しまわなくてもいいわよ。今すぐ食べましょ」

 千沙子が小雪から人数分のティラミスを受け取り、テーブルに並べた。
 六つ並んだティラミスを見て、長船がはたと気付いたように言った。

「そういえば、叢雲君と御剣さんの分はどうしましょうか」

 長船の問いに、小雪は目を輝かせて言った。

「小雪がお部屋まで届けてきてあげる☆」

 小雪の表情を見れば、届けに行くついでに、二人がどうなったか見たいという魂胆が丸わかりだ。

 妙にニヤニヤしつつ、ティラミスとプラスチックのスプーンを二セット抱えて、小雪はスキップしながら部屋を出て行った。