「いやその……。そうではなくてですね……」

「案ずるな。サチリアジスは必ず治る。気をしっかりもつが良い」

 サチリアジスて。いつの間にオレは色情症になったのだろう。

 治さなきゃいけないのはオレじゃなくて、あなたのぶっ飛んだ思考回路です。

 そう言ってやりたかったが、話がややこしくなるだけなのが目に見えている。

「……ソウデスネ」

 このときオレは既に、棒読みの投げやりな台詞しか返す気力がなかった。