僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ


◆Side:有須


「ぎゃー! また負けた! もう嫌っ、あたしは寝る! さようなら!」

「怒んなよ凪。ちっちぇ奴だな」

「……負けは負け」


深夜1時。みんなそろってUNOで対戦していたんだけど、凪はなぜか3連敗。


「ふふっ、凪弱い~」

「有須まで! ヒドすぎ!」


半泣きで黒いクッションを抱きかかえる姿に顔がほころぶ。


……凪って凄く美人。赤茶のスパイラルがよく似合ってる。


顔が小さくて背が高くて、脚も長いし細い。目も大きくて、切れ長で。鼻筋が綺麗に通ってるし、ピンクのふっくらした形のいい唇も魅力的。


……いいなぁ。あたしも、これくらい美人になれたら。なんて、夢のまた夢だよね……。


「もうUNOヤダ、飽きた〜。ゲームしよーよ、ゲーム! プレステ!ってないわ!」


そう叫ぶ凪に、肩まであるブルーブラックの髪を束ねながら祠稀が口を開く。


「明日買いに行けばいいじゃん」

「そんな金ないわ!」

「俺が買ってやるよ」


その発言に、あたしと凪は目を丸くさせる。半分寝ていた彗も、祠稀に目を注いだ。


視線に気付いたのか、祠稀はニヤリと得意げに笑う。