僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「確かにベタだな」

「でしょ~? 今時って、まぁ15年以上前だから知らないけどさ」


ケラケラ笑う凪に鼻で笑って、俺は再び食事を再開。すると今度は有須が彗に質問を始める。


「彗……あの、聞いてもいい?」

「……ハーフだよ」

「げほっ! ごほっ!」

「……汚い」


ポトフのスープを飲んでいた俺が咽ると、彗は眉を寄せる。


いやいやいや……何をそんなハーフだってことを当然のように答えてんだ。


なんで質問が分かったんだろうと驚いてる風な有須を置いて、口元を拭う。


「まあ、やっぱなーって感じだけど。ハーフっぽいとは思ってた」


彗の金茶の髪は染めた感じが全くしなくて、色素だって薄いし顔もメリハリがあって整ってる。俗にいうただのイケメンだな。


「あれ? じゃあ凪もハーフなの?」

「あたし!? 完全に日本人! 彗はお母さんがイギリス人なんだよ」

「へ〜。残念だったな凪」

「それはどう捉えようか?」

「冗談だろっ」


今にも箸を折りそうな凪を見て、焦る俺に有須が笑う。


その後も明日は買い物に行くとか、高校のイメージとかを話しながら夜が更けていった。


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