僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「最後に駅に着いた人が、電車代出すゲーム!」

「はぁ!? ちょ、待てコラ!」

「え!? 凪ずるい!」

「……昼飯のほうがいい」

「って彗、マジ走りか!」


いちばんに駆け出したあたしを追いかけてくるみんなに、心の底から笑った。



街中で、騒いで、全速力で走るあたしたちは、周りから見たらよっぽど奇怪だろうね。


それでもいい。


駆け抜けた道が、キラキラと輝いている。


この先にある未来が、輝かしいものであると。


願って、祈って。


今この瞬間を、目いっぱい心に刻もう。



いつまでも。

いつまで経っても。


忘れることのないように。

色褪せることのないように。



今この一瞬を、共に生きよう。