「最後に駅に着いた人が、電車代出すゲーム!」
「はぁ!? ちょ、待てコラ!」
「え!? 凪ずるい!」
「……昼飯のほうがいい」
「って彗、マジ走りか!」
いちばんに駆け出したあたしを追いかけてくるみんなに、心の底から笑った。
街中で、騒いで、全速力で走るあたしたちは、周りから見たらよっぽど奇怪だろうね。
それでもいい。
駆け抜けた道が、キラキラと輝いている。
この先にある未来が、輝かしいものであると。
願って、祈って。
今この瞬間を、目いっぱい心に刻もう。
いつまでも。
いつまで経っても。
忘れることのないように。
色褪せることのないように。
今この一瞬を、共に生きよう。



