僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ


――――…


「ちょ、ヤバいヤバい!」


さっきまでの穏やかな朝が嘘のように、慌ただしくなるリビング。


「遅刻しちゃうよー!」

「誰だよココアおかわりしたの!」

「祠稀でしょーが!」


のんびりし過ぎた!


ギャーギャーみんなが騒ぐ中、唯一のんびりしてる人影。


「「着替えろ彗!!」」


あたしと祠稀に怒鳴られ、ソファーに座っていた彗が振り向く。


「えぇー……」


こっちが言いたいわ! 何があなたをそんなにマイペースにさせるの!?


早く出なきゃ遅刻するという焦りと、一向に着替える気配のない彗をどう丸め込むか、あたしも祠稀も手足をバタバタするだけで言葉が出ない。


「……サボっちゃえばいいのに」


ボソッと呟いた彗の言葉に、彗以外の全員が呆気に取られる。


「……遅刻なら、遅刻でいいじゃん」


「たまには」と笑う彗に誰よりも早く賛同したのは、祠稀だった。