「彗っ、コラ! 起きなさい!」
「……やー……だ」
枕を引っ張ると、そのまま引きずられる彗。金茶の髪だけがあたしの視界に映る。
「……ふんっ!」
心を鬼にして枕を勢い任せに引っ張ったら、ゴンッ!と豪快な音を立て、彗の上半身……というより、頭が床に落ちた。
「「……」」
頭を床につけたまま、まだベッドにある彗の下半身を見て視線を泳がせる。
「ご、ごめん……」
まさか彗が落ちるとは思わなかったのよ。ホントに。
「す、彗? ……痛い? ごめんね?」
「……ぐー」
「寝ようとすんなぁぁぁあ!」
自分のせいで彗が頭をぶつけたことも忘れ、バシッと頭を叩くと、彗はのそのそと上半身をベッドに後退させていく。
「……痛い、眠い、痛い」
なんの呪文ですか。
「頭のことはごめん、でも起きなさいっ」
やっと顔を見せた彗は、不満そうにあたしを見上げた。



