僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「彗っ、コラ! 起きなさい!」

「……やー……だ」


枕を引っ張ると、そのまま引きずられる彗。金茶の髪だけがあたしの視界に映る。


「……ふんっ!」


心を鬼にして枕を勢い任せに引っ張ったら、ゴンッ!と豪快な音を立て、彗の上半身……というより、頭が床に落ちた。


「「……」」


頭を床につけたまま、まだベッドにある彗の下半身を見て視線を泳がせる。


「ご、ごめん……」


まさか彗が落ちるとは思わなかったのよ。ホントに。


「す、彗? ……痛い? ごめんね?」

「……ぐー」

「寝ようとすんなぁぁぁあ!」


自分のせいで彗が頭をぶつけたことも忘れ、バシッと頭を叩くと、彗はのそのそと上半身をベッドに後退させていく。


「……痛い、眠い、痛い」


なんの呪文ですか。


「頭のことはごめん、でも起きなさいっ」


やっと顔を見せた彗は、不満そうにあたしを見上げた。