僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



黒いテーブルには吸い殻が山盛りになった灰皿と、無造作に置かれたアクセサリーや飲みかけの水。


……片付けってもんを教えなきゃダメなわけ?


床に放り出された服や雑誌を跨ぎながら、祠稀の寝顔を拝見。


仰向けになって、手の甲を額に当てながら片足を曲げて寝る美少年。


思わずドキリとするくらい端正な顔に、若干腹立たしくなる。


「……」


視界に入った枕の意味をなさないクッションを持ち上げ、力任せに振り落とした。


「ぶっ!?」

「起きろバカ」

「なんっ……凪!?」


ボスン!と、見事に顔にヒットした丸いクッションをよけて、祠稀は顔を覗かせる。


ぱちくりと切れ長の目をしばたたいて驚く祠稀を尻目に、黒い斜光カーテンを開けた。


「朝ご飯作ったから」


今日の朝食当番は、祠稀だったんだけどね。