僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



何回か柔らかい頬を突っつくと、有須は眉を寄せ、うっすら瞼を開けた。


「おっはよ」


ニカッと笑うと、有須は何度か瞬きをして、また目を瞑った。と思えば、


「……え!?」


と勢いよく起き上がった有須に吹き出す。


「なな、な、凪!?」

「あはは! 朝だよ〜」

「え!? あ、お、おはよう!」

「有須って面白いよね」

「え!? そ、そう!?」


どうして凪が!?って顔をしながら受け答えする有須に笑いがこみ上げる。


「ご飯作ったんだ。顔、洗ってきたら?」

「あ、うん! ありがとお……」


女の子は色々準備がありますからね。


ちょうどピンク色の目覚ましが鳴り出し、「ひゃあ!」とバシバシ目覚ましを叩く有須に笑いを堪えながら、祠稀の部屋に向かう。


「しーきー! 入るよっ」


返答も待たずドアを開けると、相変わらずロックな部屋が視界を占領する。