「祠稀って分かりづらいよね」
「はぁ?」
オートロックを開けている祠稀に空き缶を差し出す。
「心配してくれてどうもありがとう」
眉を寄せて空き缶を受け取る祠稀に、微笑む。
「遅くなってごめんね?」
だから、けろっとして帰ってきたあたしを見て、不機嫌になったんでしょう?
「俺が心配したのは、凪が煙草を買ってこれるかってことだけだっつーの」
ばつが悪そうに視線を逸らす祠稀。
おかしくて、嬉しくて笑ったあたしに祠稀は悔しそうに口を開く。
「調子のんなっ」
「ふっ、照れちゃってぇ〜」
「っけんなココアバカ!」
「はぁ!? ココアをバカにすんな!」
「お前をバカにしてんだよ!」
やっぱりムカつく!
「メールくらい返せボケが」
一発殴ってやろうと握った拳は呆気なく力をなくし、ぽすっ、と情けないパンチを祠稀の背中にお見舞いしてしまった。



