「え、くれんの?」
「千円じゃ多いから。その代わり」
別にいいのに。でもくれるなら、ちょっと欲しい。
「暇つぶしに行ったゲーセンで、取れたやつだけどね」
受け取ったあたしに、男の子はまた口元だけで笑った。
「金はダメで、クマはいいんだ」
「うるさいよ!」
なんだか女だなって笑われてるようで、気恥ずかしい。
小さなテディベアに繋がるチェーンを持つと、男の子は立ちあがり、灰皿に煙草を捨てていた。
「じゃあね」
「あ、……うん」
帰っちゃうのか。
ひと言残してすぐに立ち去る男の子が、なんとなく名残惜しい。
「ねえっ」
思わず呼び止めてしまって、振り向いた男の子にも焦る。
「あ……気をつけて、ね?」
って何言ってんだあたしは!



