「さぁーって、夕飯作るか!」
「何が、さぁーってだよ。散々笑っといて。ひとりで作れ!」
「うっさい祠稀! 黙って手伝いなさいよっ」
自室のドアを閉め、キッチンに向かう。
ぶつくさ言いながらも髪を結ぶ祠稀に口元を綻ばせながら、あたしは幸せを噛み締めていた。
「つーか、密集しすぎだろ」
キッチンに入ったあたしと祠稀に続いて、なぜか彗と有須まで来た。
「……手伝う」
ピッタリ祠稀にくっつく彗に、「うっ」と口をつぐむ祠稀。
「クソ! お前かわいいな!」
「あははっ!」
「やだ祠稀く〜ん。彗に惚れないでよぉ?」
ふざけて言うと、「アホか!」と怒る祠稀に彗は相変わらず引っ付いて、うとうとしてる。
「っておい! 俺は枕じゃねぇぞ!」
「……祠稀、あったかい」
「俺は電気毛布じゃねえ!」
祠稀と彗の掛け合いに有須と笑って、この日はいつまでも笑い声が絶えなかった。
夏が近付く、夜のこと。



