僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



制服から半袖の黒いつなぎに着替えていると、リビングから笑い声が飛んでくる。


「彗! お前はもうジッとしてろ! 夕飯は凪にやらせろって!」


なんだって?


スパイラルの髪を無造作にハーフアップにしてから、ドアを開ける。


見渡すと、キッチンに向かおうとしている彗を引き止める祠稀と、それをハラハラしながら見上げてる有須の姿があった。


「今日は、……気分」

「っだよ気分て! 省くなっつーの!」

「つ、作りたい気分なんだよね!?」

「……やっぱいいや」

「なんっなんだよお前は!」

「し、祠稀がめんどくさくなったんだよね!?」

「なんだって? おい有須」

「いや違っ! や…えと…その、」

「ぶはっ!」


耐えきれず吹き出してしまったあたしに、視線が注がれているのを感じる。


俯いて体を震わせるあたしに、それぞれが好き勝手に喋りだす。


「笑ってんじゃねーよ凪っ」

「凪ぃー! 止めてよーっ!」

「……ご飯、まだ?」



笑いが止まらない。